Impairment testing減損テスト

のれんの減損テストとは

M&A等企業結合取引を実施した際、多くの場合取得企業の連結財務諸表においてのれんが生じることとなります。

のれんは日本基準、国際財務報告基準(IFRS)、米国基準を問わず、各会計基準において減損テストに関する要求事項が設定されており、特にのれんが償却されないIFRSと米国基準適用企業では、毎期最低一回はのれんの減損テストを行うことが要求されています(なお米国基準適用企業は定量テストを実施する前に質的評価を実施する選択権があります)。

のれんの償却が認められる日本基準においても一定の条件下ではのれんの減損テストが要求されるほか、関連する関係会社株式の減損テストが親会社単体財務諸表上で論点となるケースもあります。特に、ベンチャー企業への投資等においては、一株当たり簿価純資産額が取得時の一株当たり株式価値の50%を下回るケースも珍しくなく、このような状況における実質価額の評価のため、バリュエーションが要求される場合もあります。

のれんの減損テストは見積もりの要素を含むバリュエーションの知見が必要となる領域であり、また実際に減損を行うとなった場合財務諸表に与える影響も大きくなることが多いため、パーチェス・プライス・アロケーションとともに監査上の主要な検討事項(KAM)に多くの企業で取り上げられています。

近年では「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号)が公表されるなど、財務諸表監査における評価項目の重要性が増す中、のれんの減損テスト(また関連する株式の減損テスト)は、貴社マネジメントはもとより投資家や監査人にとっても注目度が非常に高い分野であるといえます。

のれん減損テストのポイント

のれんの減損テストにあたっては資金生成単位(CGU)や報告単位(RU)等の一定の単位の評価基準日時点の価値を、適切な評価手法(インカム・アプローチやマーケット・アプローチ等)に基づき計算する必要があります。

加えて、価値の算出にあたってはそれぞれの会計基準において要求される価値の定義に即した評価が必要となります。例えば、IFRSであれば「使用価値」や「処分コスト控除後の公正価値」、米国基準であれば「公正価値」といった定義に即した価値を算出する必要があることから、一般的なバリュエーションの知見に加え、会計面での知見も欠かせません。

また、事業計画期間中に高い成長が見込まれるベンチャー企業への投資にかかるのれんの減損テストの場面では、DCF法を採用したとしてもいわゆるゴードン・グロース・モデルでは適切な価値が算出されないケース(監査人によるレビューが通らないケース)もあり、評価手法の選択には留意が必要です。さらに、海外投資に関連するのれんの減損テストでは、クロスボーダー対応や、国際資本コストの推計等が求められる場合もあります。

固定資産の減損テスト、WACC算出等の部分的サポート

フォーカスバリュエーションでは、貴社のご要望に応じ、のれんを含まない固定資産の減損テストに関する評価業務や、WACC算出等の部分的サポート業務も可能です。
ぜひお気軽にお問合せください。

Why Focus

わたしたちを選ぶ理由

フォーカスバリュエーションでは、大手監査法人系ファームでの、評価人及び監査人サイド双方におけるのれん減損テスト業務の実績が豊富な、公認会計士資格保有者を含むメンバーが、貴社ののれん減損テストに関連する評価作業、会計監査人対応、およびご要望に応じて関連諸論点のトータルサポートを行います。また、同大手監査法人系の海外ファームにおいて多くの会計目的評価の実績を有するメンバーもおり、クロスボーダー案件においてもスムーズな業務提供が可能です。

また、国内外の多数のベンチャー投資の評価実績を有するメンバーも在籍しており、減損テストを含め、貴社のベンチャー投資に関する評価のサポートが可能です。

会計監査人対応では、大手監査法人系ファームにおける内部専門家として、大小様々なレビュー経験をもとに監査人の目線から見た懸念事項を幅広くカバー、貴社監査人および監査人サイドの評価専門家チームとの円滑なコミュニケーションを通じて、安心感のあるプロジェクト遂行が可能です。